去年のLMWビワイチのリベンジにもう一つの愛車、MT-09TRACERと一緒に超長距離ツーリングを楽しんできたヤマヒロです!
「なんか3連休あるし、ビワイチ行くか!」
それくらいの軽〜い気持ちで走り出し、去年の記録を追体験する旅をしてみました!
撮影日:2020/10/19-21
コンテンツ
旅路の記録
今回の旅で訪れた場所と出来事の記録。
神奈川の最寄りICから琵琶湖のホテルまで約400km、所要時間約4時間半の滋賀県にある琵琶湖を目指すに当たって去年のLMWビワイチをベースに2泊3日の工程を組んでみました。
1日目
横浜町田から滋賀県琵琶湖を目指す09TRACERと高速ロングクルージングの記録
出発!
前日が約17時間拘束の夜勤明け。
まだ、昼夜逆転が残る出発日はバイク屋さんからの電話をアラーム代わりに起床。
内容は「頼んでいたトレーサーの修理部品が届き、15時からピットインできる」とのことでした。
まだ少し眠い目を擦りながらバイクカバーを剥いで左右のサイドケースにヘルメットと宿用ボストンバッグ、50Lのトップケースにカメラバックを積み込み発進位置へ。
朝晩の気温が急降下するこの時期はインナー付きオールシーズンジャケットでは少し暑いくらいの秋晴れの下、
家族と「行ってきます!」、「行ってらっしゃい!」の挨拶を済ませ、ゆるりと走り出しました。
レッドバロン町田
毎度お馴染み、超距離旅の始めは横浜町田IC近くのレッドバロン町田へ。
今回は去年の台風で倒れてしまった際に曲がり違和感が残る右ステップといつの間にか吹っ飛んだバンクセンサーを交換修理。
合わせてしてレッドバロンのサービスで重装備の高速走行に向け、高めの空気圧とチェーン注油をして頂き準備は万端!
ところが、スタッフさんに見送られ「さあ、俺たちのツーリングはこれからだ!」と言うときにインジケーターはシグナルレッド。
要はETCカードを忘れに気づくという大馬鹿野郎っぷりを披露することになるとは思ってもみませんでした。。
う、うわあああ!!!! pic.twitter.com/Pmv2uIi7bo
— ヤマヒロ (@yamahirok3) October 18, 2020
事もなげに一旦帰宅し、トリシティ155からETCカードを差し替え再出発。
陽が傾き始めた時刻はすでに16時と去年のLMWビワイチに走り出したときと同じ時刻だったのは偶然か運命か。
いい意味で1年前の比較ができるということでここは前向きに再出撃…!
今度こそ…!
MT-09TRACER 行きます! pic.twitter.com/ynYsBrptnf— ヤマヒロ (@yamahirok3) October 18, 2020
高速ロングラン
大渋滞が始まり始めた東京方面を遡るように西を目指して東名高速道路を走行開始!
〜足柄SA
100km/h前後の巡航を維持したまま、横浜町田ICから30分と60kmほど走った富士山がよく見える足柄SAにて最初の休憩。
お手洗いと給油だけ済ませて出発しようと思いきや雲から太陽がこんにちは。(こんばんは?)
給油を終えても進行方向に対して強烈な西陽は変わらず西に向かって走り出す。
夕刻、先の工事渋滞区間で「あ〜あ〜目がぁぁぁぁ…目がぁぁぁぁ…!!」と心の中で叫びながら。(サンバイザー無)
〜浜松SA
17時~18時にかけてあたりは真っ暗闇。
その後も圧倒的な静岡県の長さに内心ビビりながら高速道路を黙々走ること約150km。
いよいよ持ってグリップヒーターだけでは我慢の限界で冬用グローブへの交換と温かい麺類もとめて浜松SAへ滑り込む。
ここでのお手洗いはともかく時刻は19時で平日でもフードコートの大混雑。
イマイチ「コレだ!」という感じでもなく、むしろまだまだ走れる感じすらしてしまい、気分はもはやソウルフルなランナーズハイ。
ひとまず、温かなコーヒーをくたびれた男は燃料に不慣れな分厚い冬用グローブをグッと握り締めて出発しました。
苅谷ハイウェイオアシス
頭ブンブン振りながら密閉空間”ヘルメット”の中で歌っていたのはいつのことやら。
徐々に回転数を下げながら巡航していた19-21時の今日この頃、2時間ぶりくらいに地に足を着けた苅谷のハイウェイオアシス。
煌びやかな観覧車を背に去年お隣のおじさまライダーと話し込んだ印象的な場所でした。
温かい麺を求めていたはずが12時から21時まで走りっぱなしということもありさすがに空腹。。
「旅してるなら普段と違うものを!」ということで”台湾冷やし混ぜそば”頂きました!
具材のボリュームもあり麺を頂いた後、SNSのお返事書いたりと小休憩。
シメの混ぜ込みご飯を完食し、手を合わせ「ごちそうさまでした〜!」する頃には飲食店はマクドナルドを残してクローズ。
なんやかんやでここには1時間以上滞在しておりました。。
冷ややかな夜風に吹かれながら、若干飽きが来ていたプレイリストをエースコンバットシリーズのサントラで組んだツーリングアルバムに切り替え。
楽曲はエースコンバット7OSTより”Roca Roja”
強烈なギターにアップテンポなドラム、そこに官能的なクロスプレーン3気筒の音色がヘルメット越しに心地よく響き、
前を向く気持ちに音速で夜の工業地帯を駆け抜ける体は自然な速さを求めます…!
「さあ、ラスト・ランだ!」
水口センチュリーホテル前
選り取り見取りな楽曲に気持ち冷めぬままアクセルをひねり続けた長い長い高速走行の果て。
トリシティの時より2時間ほど早く、宿泊先の水口センチュリーホテルに到着したのは22時頃でした。
正面から滑り込んだエントランスにトレーサーをサイドスタンドで停め、フロントにチェックイン。
エントランスまで戻ると煌びやかな光に照らされ佇む今日一番カッコ良かった愛車に
ズギュゥゥン
となってしまったのはいうまでもなく。
ポケットからプレミアムコンパクトGRIIIやトップケースからフルサイズ一眼レフK-1IIを引っ張り出し、振り回し、転げ回っておりました(笑)
お部屋
サイドケースから荷物を下ろしてお部屋へ。
扉を開けると去年と全く同じレイアウトでお部屋はモダンなワンルームタイプ!
高速を降りて10分少々の清潔感あるビジネスホテルなので1人でもマスツーでも安価に泊りやすく、周辺には市街地もあり立地もマル。
特に東側から琵琶湖やビワイチを目指す全ライダーさんに勧めたいホテルです…!
シャワーを浴びて、歯を磨き、SNSのお返事も落ち着き始めた0時すぎ。
高速で400km近く走って体は疲れているはずが子供の遠足前のようなワクワクが止まらない気持ちも重なってなかなか寝付けず、、
おぼろげな記憶ながら最後に時刻を見た時の数字四文字は03:18。
普段より固めな枕に頭を沈め「多分慣れない寝具のせいだドチクショウ!」とか思いながら「旅には枕を持参しよう!」と100万回目の誓いを立てましたとさ。マルゥ。
2日目:琵琶湖ツーリング
1日で1年分旅したような。
MT-09TRACERと”大馬鹿野郎”の二輪二脚の記録。
水口センチュリーホテル
ふと、目が覚める。
まだ、少し重たい体を起こす。
音の鳴る方へと、手を伸ばす。
そして、スマホを黙らせる。
さて、朝食行きますか!
(今回は寝坊してないぞ!!ウソじゃないぞ!!)
グッドモーニングな自分は楽天トラベルの朝食付きプラン(+500円)
定番の洋から郷土風の和まで揃ったバイキングだったのですが、少食な自分は初回でお腹いっぱい。。
チェックアウト時間も10時と他のビジネスホテルに比べて短く、準備時間も欲しかったので結局朝ごはんは手短に済ませてしまいました…
チェックアウト〜出発
チェックアウトを済ませいよいよ出発!
ケースを開き荷造りしている5分もしないうちに、前日の天気予報が大ハズレな音を立てて地面を濡らす大雨に…
ご好意でチェックアウト後ではあったものの宿泊者向けのラウンジに入れて頂き、雨雲が抜けるという10:30頃まで待機。。
「40秒で支度しな」とか「3分間待ってやる」とはよく言ったモノですが、
よもや買ったばかりのそこそこいいお値段だったバイク用レインスーツを家に置いてきたというのはここだけの話。
雨足が過ぎ去ったタイミングでトレーサーのエンジンに火を入れ最寄りのガソリンスタンドでバイクも遅めの朝ごはん。
給油を済ませた11時頃には雨は降り止み、甲賀の山々を望みながら琵琶湖反対側の白髭神社にナビをセット。
下道を西へ進むと前回反時計回りした時ののどかなイメージはどこへ行ったのやら。
ナビのお導きのままに水田を横目に、路地を抜け、荷物満載のオートバイが不似合いなタワーマンション立ち並ぶ市街地を縫うように進み、近江大橋を渡って琵琶湖の西側へ。
今度は高そうなホテルが立ち並び路面電車が走るリゾート地のような佇まいの大津市を通過。
前回は琵琶湖の半分も「見れてなかったんだな〜」とストップアンドゴーで下道の景色を眺めながら去年通り過ぎてしまった白髭神社を目指すのでした。
白髭神社
うねりくねった坂にある閑静な住宅地から高速のようなバイパス”国道161号”に乗っかると09TRACERの本領発揮。
下道換算で計算されているグーグルマップの到着タイムがグングン縮まります!
下道へ降りると、まるで海沿いを走っているような、風の心地よい琵琶湖を走り白髭神社に到着。オートバイは自転車と同じ場所へ。
階段を上ると山側は木々で暗く、和製ダークファンタジー的な雰囲気溢れる神社。
一方の琵琶湖側の湖にそびえ立つ鳥居は何かで見たことある日本の風景じゃないかな。
境内には道路を跨ぐのはデカデカと”禁止”と書かれているので、あなたが”良い人”ならいいね欲しさに渡っちゃ絶対にダメっすよ!!
一回りして駐車場に戻るとふるき良き建物を背に佇む、今風オートバイの圧倒的場違い感がやたら印象的だったとかそうでないとか。
メタセコイヤ並木
去年は”大渋滞”に巻き込まれたものの今回平日お昼過ぎは白髭神社から30分足らずで到着。
SNSで流行り出してから色々と問題になったらしく、現在路駐は禁止
上げたら上げたで十中八九炎上するそうなのでひとまず散策のためトレーサーは脇の道の駅に駐車。
降り注ぐような木漏れ日の中を走り抜けた前回が大当たりだったらしく今回は天気的にはどんより沈んだ印象。
おまけに目に余る「承認欲求モンスターだらけだな〜」割とすぐ道の駅へUターンしてしまいました。。こういうとこは流行り出す前に行かなきゃダメっすね。
※道路のど真ん中に動物(人)が飛び出します。
駐車場の埋まり具合とは裏腹にむしろ道の駅側はがらんとしておりました。
なんだか「絶対にまた来て、愛車と並木の写真撮るんだ!」とあの時の内なる熱量は完全に興ざめ。
頂いたマキノ茶ジェラードは今の写真のあり方に冷めてしまった気持ちをなだめるような風味(あじ)がした。
奥琵琶湖
ホテルからの出だしこそ遅れたものの、至って普通に走ったトレーサーがくれた時間の余裕。
ゆえに“もうちょい回れる”目的地に困りながら目指したのは奥琵琶湖エリア(北の方)
名も無き道路にさっと停めて、 ライディングジャケットの右ポケットからGRIII引き抜いてトレーサーの写真撮る。
琵琶湖ををぼんやりと眺めながら持参の水筒で喉を潤す。
湖畔のワインディングをいつもよりちょっとだけハイペースで走る。
自分時間を堪能しながらノーマルより重いフルパニアで、それでいて購入した1年前よりもずっと身軽にコーナーを捌く自分とマシンのシンクロにひそかな高揚感を抱きながら…!
思わず足を停めた琵琶湖を一望できる高台のフェンス沿いにトレーサーを停車。
黄昏の刻を拝むのにこれ以上の場所はないという期待を胸に太陽が雲から顔を出すのを待つ。
黄金色の空は刻一刻と表情を変え、煌びやかな光で琵琶湖を照らす。
「大当たりだ。」
そう呟き、貸し切り状態の高台でフルサイズ、PENTAX K-1IIのファインダー越しに世界を捉える。
陽が落ちる数分間、二輪二脚でたどり着いた高台から紫色に染まる空を見た。
宿泊施設のチェックイン時刻が迫っていることから17時でタイムアップ。
日が傾き始めた高台を下りて高速道路を目指すと”撮影係”として思い出作りのお手伝いさせて頂いたローソンに辿り着き一休み。
写真で見返すと点繋ぎできる鮮明な旅の思い出。
そもそも、シャッターを切らないことには風化してしまうけど写真という”思い出のしおり”があれば記憶は生き続ける。って思うんだ。
バイクステーション岡崎
10月半ばでも日が暮れると気温も急降下。
冬用グローブと風圧緩和にも一役買う胸部プロテクターを装備し琵琶湖北部から高速に乗っかり一気に名古屋のバイクステーション岡崎へ。
所要時間も約2時間と前回のような遅れもなく、一番心配していたウルトラワイドなハンドル+サイドケース装備の09トレーサーでもなんとかお部屋に入れました…!
ナムチャイ岡崎
夕飯を食べにバイクステーションから5分くらい県道を走ってレッドバロンが経営するタイ料理店のナムチャイへ。
曲がり角を曲がると、煌びやかに電装された圧倒的異国感でゲートを素通りしかけたのでござる。。
本格派から怖いもの見たさまでメニュー色々。
散々悩んだ挙句、比較的無難な期間限定メニューの”鶏挽肉のバジル炒め丼”を頂きました!
日本人でも食べやすい味付けで、美味しいものをごちゃ混ぜにして最強になっちゃうヤツです!
思い返すと2日連続お昼抜き。
一方で帰り道に急にお腹が鳴って、「そういえば、ご飯食べてなかったな。」とか走ってるとよくある方です。(オイ)
シャワーを浴びて、部屋での写真やSNSも落ち着き始めた0時すぎ。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
一日中走り回って体は疲れているはずが“最高にハイってヤツ”になってるもんで案の定寝付けず、、
ぺたんこな枕に頭を載せて「多分慣れない寝具のせいだドチクショウ!」とかまた思いながら「旅には枕を持参しよう!」と300万回目の誓いを立てましたとさ。マルゥ。
3日目
『おはようございます。オーナー殿』
と、目を覚ましたのは7時半ごろ。
バイクステーションはチェックアウトという概念がなく、10時までに退室していればOK。
この日はのんびり9時頃にトレーサー、レッツゴーゲート!(手動)
宿泊した愛知県のバイクステーション岡崎から静岡県浜松のヤマハコミュニケーションプラザを覗いてPAでお昼を済ませたらあとは神奈川の自宅まで一直線。
最後の最後まで、トレーサーと1007.8キロ走った二泊三日の行程を無事故無違反・ノートラブルで走りきることができました!
まとめ
向かい風の中を進むというのは、
ある時は強い意志を意味し、
ある時は”大馬鹿野郎”を意味する。
とはよく言ったものですが、「なんか3連休あるし、ビワイチ行くか!」と。
自分でも突拍子もないこの旅は二輪二脚で走り抜けた今年一番のフォトワークになりました…!
「幸せなときはその価値が分からない」 もので、少し長い写真旅を共にしたトレーサーを降りた時、
自宅の前で日常に帰還した体よりも気持ちに『どっ』ときたし、やっぱり大型スポーツツアラーがいろんな”余裕”をくれたように凄く強く思う。
そのくせ来月もまた。日常よりもっとずっと、遠くへ行きたいなと強く思いました。
そして、1年前「09TRACERを選ぶことができて本当に良かった!」と。 改めて心の底から思う旅をすることができました!
以上、09TRACERと旅をするプライベーティアフォトワーカーの大馬鹿野郎、ヤマヒロ(@yamahirok3)でしたー!