「カッコいい・・・!」
ホントそれだけで十分価値がある究極の自己満足。
いつか、ヤマハMT-10へ。
そんな風に思っていた時期が自分にもありました。
しかし、バイク歴たった4年目だった自分にR1譲りの圧倒的すぎるMT-10は明らかにオーバースペック。
おまけにSP仕様は200万に迫るという当時20代の自分史上最大のお買い物であり、ヤマハハイパーネイキッドのフラッグシップ機を”買う”となれば相当な覚悟が必要でした。
それにしても、何をするにせよ頭が悪く、自己肯定感も低かった自分(ヤマヒロ)。
新しいことに臨もうとする自身の気持ちにフタをして。
嫌なことも、本当にしたいことも、いろんなことに出来ない言い訳をして、誤魔化して生きてきた。
そんな自分の、おそらく”気持ちのブレーキ”なるものをMT-10がぶっ壊して「まずは自分から幸せになれ」と。
人生の中であらゆるコトへの”GO!サイン”を出してくれた、自分を変えてくれた1台にもなりました。
2度目の車検を終えて、改めてMT-10SPが好きで、MTシリーズが好きで、ヤマハバイクが好き。
MT:マスターオブトルクでなにやらねじ曲がった人生が大変なことになってきました。
みんな・友達?
改めて、ヤマハMTは正式にはマスターオブトルクの略称。(派生多数、諸説もあり)
取り分けヤマハ公式なMT-10のレジェンド会ではコレ↓
The king of MT.
M:みんな
T:友達https://t.co/r5s2DtzW7R#MT10 pic.twitter.com/TkKb0pYmh0— ヤマハ バイク (@yamaha_bike) November 9, 2022
ちなみに末尾のSPは”シアワセ・パワー”だと思ってる。(違)
20代の大馬鹿野郎がMT-10SPを買った
2021年、5月末。自分は27才児でバイク2台持ち。
そんな自分がたくさんの人たちに背中をちょん(実際はドーン!!)と押され、3番機として“憧れのMT-10SPを買う”ということ。
それは、トリシティ155とMT-09TRACER(トレーサー)を所有しながらどちらも手放さず、さらに大排気な3番機を増車するということ。
今思えば、誰も良心も痛めることのない、良い作戦であった。
そして、すでにスクーターとスポーツツアラーを持ちながら。
さらに新車だと200万はするハイパーネッド「MT-10SPに乗りたい」 という愚かな夢にぐうの音も出ないほどの大反対を覚悟しながら、強い強い決意を胸に両親へと告白したのです!
おれは、行くよ…!
お父さんは言いました。
「欲しいものは結婚する前に買っておけと。」
母さんは言いました。
「いつ死んでも悔いが残らないように心に従えと。」
そんなこんなで今までとは比較にならない車両価格を誇るMT-10SPまでもが、いとも容易く、えげつないくらいあっさりと出てしまったGoサイン。
で、当時の年収の半分以上をこの”1台のお買い物”のために吹き飛ばしました。
それにしても、自分でもまさかの最強の3番機を買うと言うのにドラマチックな紆余曲折のひとつやふたつも無いまま、
初めてのバイクで走り出した日からちょうど3年と11ヶ月の2021年7月22日
いよいよ自分の憧れであり、乗ることが夢でもあった、MT-10SPをお迎えしたのでした!
・・・で。
その2年後にはヤマハMTシリーズが好きになり過ぎて、突然出てきたMT-09ストリートラリーを増車することになるとは知る由もなく。

ずっと前に“好きなこと貫き通すため、人生の大事なこと放り出した”から「大丈夫だ。」って言ってたよ!
MTの4番機を買いました。
が、現実はもっと深刻。
勇気を出して、言って来ました。
たぶんだいぶ先だけど、楽しみです(*´-`) https://t.co/UMziX9MTcp— ヤマヒロ (@yamahirok3) June 18, 2025
どっちかっていうとそろそろ「大丈夫か?」状態。
執筆してる間に、ヤマハの先進体験と4型MTの“キツネ顔”デザインの好みから2025モデルのMT-07 Y-AMTが買いました。(2025/6/28受領済)
本日MT-07 Y-AMT納車しました!
初めてのCP2エンジン機で最新鋭なヤマハMTシリーズの4番機として、
いっぱい楽しみたいと思います!!#YAMAHAが美しい pic.twitter.com/Q1rUmjJ6Nx— ヤマヒロ (@yamahirok3) June 28, 2025
ヤマハMTシリーズが好き過ぎて人として終わってるけど、人生追い込まれたときに「まだ終わりじゃない。まだだ。」とかカッコいいから言ってみたい。(黙れ)
MT-10SPの好きなとこ
最強のおもちゃ。
あんなことやこんなことができます。
たぶん
「運動神経が良くて、頭も顔も良いやつは名乗り出ろ!」
って言われたら、飛び出してくるタイプ。
ひょっとしたらヤマハでバイクで、最高の汎用性を持った、凶悪極まりないおもちゃでもある。
CP4エンジンの官能性能
ヤマハ発動機の最強のエンジン
MT-10に乗ると、もっぱら普段使いにはオーバーな排気量の大きさから他のMTに乗るよりも高くつきます。
しかしながら、YZF-R1からストリート用に最適化したCP4(クロスプレーン四気筒)エンジン固有のビートを轟かせる”気持ち揺さぶる暴力的な加速”
は、殺し文句よろしくな程度によそ様でもお馴染みなので、言わずものがなつよつよなポイント。
書き言葉だと表現に困る4気筒系らしくないクロスプレーン固有のデロデロ鳴るな低回転から3500rpmをあたり境に反転して”ファアァァァン…!”と地面を蹴り出すような。
同時にエンジンの回転数に共鳴して、湧き上がる心の高揚感は「最高にハイってやつ」になれちゃうような。
無駄に、高速走行でも低めのギアを積極的に引っ張りたくなるような。
はたまた、ヤマハが謳う圧倒的”官能性能”の到達点を顕現したような。
あたかも二輪二脚で奏でる“管楽器奏者”な気分になれちゃう部分で、ここは間違いなくMT-10だけの愉しみ。
それにしても、暑い日はさらに暑く、高めなスピードレンジから寒い日は増して寒い。
それでも「MT-10に乗りたくなるのはなぜだろう?」
湖が凍る程度に寒かったんです。すごく。
弱点は燃費の悪さくらい?
ツーリングやストリートユースだと楽しいに全振りなMT-10で唯一欠点というか、弱点なのが燃費。
というのも排気量という文字通り。
市街地で渋滞に捕まろうものなら9km/Lなどひと桁台を叩き出すことも。
逆に高速を燃費走行で流すと20~22km/LとMT-09並に伸びることもあったりで乗り方次第で千差万別。
自分の場合、マイヤマハのアプリにて満タン航法でのアベレージを取るとこんな感じ。
なお、MT-10仲間さんと一緒走っても乗り手が軽すぎるせいか、開け方の違いからか、航続距離は若干長めっぽい。
ヤマヒロさんが軽すぎて、軽すぎて…
羨ましいような、羨ましくないような…
とは言え、平均燃費にマージンを取っても体感は17~19km/Lあたりなので、気持ち航続距離は17Lのタンクをフルに使って300km行かないくらいかなと。
もっぱら、1回あたりの食費は自分の倍。
しかも、半分を占める1メモリ目の半分を切ったら、ゴリゴリ減っていくので、残り2メモリなる前に給油しておくとマル。
ちなみに、MT-10は最後の1セグメントなった瞬間、Fトリップとメモリの点滅が始まるので、気持ちはやめの給油が精神衛生的に良さそう。
↑ギリギリ300km走り切れたことも。
電子制御で怖くない
当時の最新技術を全部乗せな、最強の電子制御
MT-10SPの初期仕様でバイクも本格的にデジタルへの過渡期にあった2017年モデル。
もっぱら、23から三輪車でバイクデビューした自分はビビりで運転も完全に独学。
ゆえに、スポーツツアラーのMT-09TRACERでもワイドなハンドルを振り回すような乗り方しか心得ていませんでした。
そんなビビりの自分に必要十分すぎる電子制御の支援の数々で、「あくまでも速くというよりは少しずつ上手く」を意識するきっかけもMT-10SP。
あたかも運転が上手くなったと錯覚する程度に、寝かせても怖くないと思わせてくれるような。
さらには「これ以上行ったら逝く」という感覚を圧倒的に感じやすくさせてくれる最上級の頼もしさはさることながら、
ストリート/ワインディングの2パターンを簡単に切り替えられるSPに初期装備されているオーリンズの前後電子制御サスペンション
安全に走ることを自然体でアシストしてくれる3段階トラクションコントロール(TCS)や、ツーリングユースにも嬉しいクイックシフター。
高速をボタンポチポチやれば、あとはハンドルに手を添えるだけでめちゃくちゃにラクかつ、急操作を行わないことから燃費が1割伸びる気がするクルーズコントロールまでの電子制御が盛りだくさん。
当時のあるモノ全部乗せしたような、先進機能が至れり尽くせりで文字通り”King of MT”なロードスポーツとしては素敵無敵仕様。
マシンに任せるもよし、アシストを利かせて楽しむも良しな電子制御の極めつけはMT-09クラスから標準装備されているドライブモード。
相変わらずのAモードでうっかり大きくアクセルを開けようものなら、準備の出来ていない心と体が置き去りにされてしまい<<ビシィッ!!>>と腕が伸び切った筋肉は一撃で硬直。
MT-09TRACERで慣れているはずが、空を超え、宇宙の彼方まで飛び出して行っちゃいそうな瞬発力に身の危険を感じたため、個人的には2000回転あたりまで出力を抑えてくれる設定を入れて走ることが多め。
大好きなメカデザイン
クセの強さが最強(?)のデザイン
知ってるか?MT-10乗りは2種類に分けられる。
ただただデザインが好きで乗ってるやつ。
プライベートのサーキットやレースで戦える性能を欲っして乗ってるやつ。
とか言う自分は圧倒的に前者でただただMT-10のメカデザインが好き。
“King of MT”よろしくな澄ました鬼のような形相から、頭悪そうな大型犬のような愛嬌ある顔立ちまで。
なんというか、最強のMTは想像の斜め上を行くいろんな表情をみせてくれます。
正面でファインダー越しにアイレベルを下げるとタレ目になってて可愛いです。
なんかヤマヒロさんより表情豊かだよね。
王冠のようなメーターバイザーを被った表情豊かな顔立ちはもちろん、戦闘機のエアインテーク風なダクトやタンクカバー、ラジエーターガードetc…。
あたかも、ロボットアニメから飛び出してきたような。
エンジンブロックをコアにひとつひとつがカッコいい機能部品を束ね、激しく圧縮して最強になっちゃった系の塊感ある“マッシブでスパルタン”な1型メカデザインはずっと変わらずお気に入りです。
SPカラーと乗り手としての誇り
ヤマハのハンドメイドの結晶。最強の所有感
個人的に最初は違和感があったMT-10“SPカラー”のお話。
「ブラックかブルーか。でもどうせ行くならSPにしよー」くらいな感じで、MT-10のメカデザインが好きだったゆえに購入カラーはあまり深く考えておらず。
しかも、最初期のヤマハSPカラー(ブルーイッシュホワイトメタリック2)自体がMT-10SPからスタートだったらしく、乗り出す前はしょーじきチグハグな印象に思っておりました。
★SPカラーは以降MT-09(2型)、TRACER900GTなどへ波及
が、いざ自宅に来てみるとMT-09系よりもさらに太く、ストリートとツアラーを悪魔合体させたような。
上質で機能美すらあるオーリンズゴールドのフォーク&ヤマハブルーのホイール。
ツヤありブラックをベースにシルバーとヤマハブルーのラインマーキングが上品なタンク周り。
おまけに、SPカラーのMTマークやラインマーキングはステッカーではなく、塗装仕上げという徹底ぶり。
また光の角度によっては塗装時に淡く飛び散ったであろう、メタリックカラーの粒子が十人MT-10色な“ヤマハの手”を感じるオーナーになって初めて気づいた大好きなポイント。
↑まるで小宇宙(コスモ)。
ワックスやガラス系コーティングで磨き上げるとまるでその時々の空を映す鏡のような。
MTのSPカラー固有な深いヤマハブラックは出来るなら永遠に綺麗にしたい部分。
で、腕の確かなコーティング専門店さんに出したら、クリアな硝子(ガラス)のように「ツヤッツヤでピッカピカー」な“空色タンク”になっちゃってサア大変。
最後にR1Mとのリレーションかつ、ここもSPカラー固有なシルバー。
中でも、磨き上げたアルミ素地にクリア塗装を施したスイングアームを舐め回すように磨いていると、
親から「もはやフェチじゃん」って言われたけど、実はここがめっちゃ好きって人がMT-10に限らずヤマハMTのSP乗りさん自分だけじゃないって信じてる。
そんな具合で点(10)を繋いで、線(1000)にして、ひとつの形にしたような。
MT-10SPのカラーが様々な質感のブラックを基調にシルバー、ゴールド、ヤマハブルーを編んで束ねて。
やがて、大事に乗るほどお気に入りになって、「上質なパッチワークみたいなカラーリングだ」と思えるくらい自分自身に色眼鏡が掛かった気がした。
ノーマル or SP?
とりわけ気にしてはいなかったノーマルかSPか。
スペックでもスタイルでも。
自分の乗りたかった方に乗れたなら正解だし、愛車になっちゃえば大正解。
MTテンテンテンテン
ちなみに、自分は何かを選ぶとき、大体それが自分が本当に良いと思ったか、楽しそうと思えたかで決める。
例えばバイクを他人と比べる道具にしたことは一切ないしするつもりもない。
モノやヒトに限らず、自分以外の存在を他者との競争の道具に使う。
って考えそのものが不幸の種になるし、幸せは逃げていくと思うから。
前編まとめ:
カッコいいよね、存在が。
MT-10SPとかいう、
個人的に最強で最高のマシン。
カッコよさの化身、日本のダークな部分の具現化、スタイリッシュな暴力的加速感を、相棒という形にしたような。
そんなマシンに20代のうちにしょーもない人間だった自分が乗れたってコトがたまに信じられなくなる。
MT-10SPに関しては乗るまでの経緯も、乗った後の全部も。
かけがえのない思い出がいっぱいで。
取り分け、ツール(道具)じゃなくって、バイクという以上には自分自身の”好き”を一緒に体現してくれる巷でよく言う“相棒”という表現がかちりとハマるような。
いつからか、心から大事にしたいと思う“一生モノ”の1台に昇華しました。
思い出を重ねて走って行けば、さらに特別なものになりますよ!
何者でも無かった自分の誇りに証を立てる。そのために命を賭していきたい。
乗りたい理由があれば、乗れない理由なんて大したことじゃない。
好きなマシンに乗って、なりたい自分になりきって、前に進んで行くって良いんだってこと。
そんなこんなで、デザインが好きで、憧れて乗ることを選んだ、
ヤマハMT-10SPの好きなところのお話でした。
前編はここまで~。