トリシティにパワー不足を感じている皆様こんにちは。
とかいう自分も「二人乗りだと峠道がちょっときついなー」と。
思っていることを口にしたら後ろに乗せてたキツネに口を聞いてもらえなくなったヤマヒロです。
そこで今回はトリシティ155のブルーコアエンジンをパワーアップするため、
点火系の仕組みについてよくわからないままスパークプラグと点火コイルを強化品に交換することにしました!
それでは、行きます…!
プラグイン!
MotoDX.EXE、
トランスミッション!!
ぷすっ。
その瞬間、
スパークプラグから光がほとばしり、
ヤマヒロの机を粉々に吹き飛ばした。
とか
ダメ。ゼッタイ。
※画像はイメージです。
ってなわけで今回はブルーコアエンジン搭載トリシティ155/125の強化策として、MotoDX高性能スパークプラグとアドバンスプロ製強化点火コイルの取り付け方について紹介します!
トリシティとのツーリングライフを快適にするために、取り付け検討中なあなたの背中を押すエントリーになれれば嬉しいですっ!
アドバイザー:K26殿(@ken26_phalanx)
人柱:ヤマヒロ&ヤマヒロの青トリさん
強化スパークプラグと強化点火コイル
今回強化品に交換するのはスパークプラグと点火コイル
スパークプラグに関しては“名前だけ知ってる”って人も多いんじゃないかな?
電圧を12Vから30000V以上まで昇圧させてプラグからスパークさせるための電気を作る点火系パーツだよ。
ってことは10まんボルト(100000V)やべぇな。
シート下のカバーを外してコイルとプラグを交換するだけですから一緒にやってみましょう!
トリシティのプラグは入り組んでるとこにあるってフォロワーさんから聞いたぞ。
天使の顔して言ってることが悪魔だ。。
↑買った。↑
交換に使うものと必要な工具
MotoDXスパークプラグ CPR8EDX-9S
MotoDXは初期装備されているNGKの標準スパークプラグよりも着火性・燃費向上性・耐久性など全体的に性能が向上したハイグレードタイプ
トリシティのパーツカタログをみると記載されている型番はCPR8EA-9なので、MotoDXやイリジウムなど強化プラグはなさそうでした。
しかし「実はMotoDXならCPR8EDX-9Sがトリシティ155/125に使える」と09トレーサーの規格外フルパニア化の際にもお世話になったK26さんから教えていただき購入!
使用するMotoDXはノーマル以上のパワーとイリジウムの弱点である長寿命を兼ね備えたタイプで値段は一本あたりノーマルの約3倍で1600円ほど。
だけど、目安8000km-数万kmスパンで使える上に燃費にも貢献するパーツなので”普通”に乗る分にはガソリン代であっという間に回収できるはず!
余談ながら15000km近く走り、今年(2020年8月)に初めての点検を受けた青トリさんのプラグ状態は距離的には交換時期は適性だけど”まだ使っても大丈夫そう”とのこと。
だから、走る距離によってはプラグの交換サイクルを数年単位で見ても大丈夫かも。
単気筒(1)のトリシティは1本あればOKです!
送料要らずのお店で買うときの型番は箱の側面でチェックだよ。
ブルーコアエンジンのトリシティ155/125に使えるプラグはこれらなのでネットで確実に抑えたい人は以下からチェックしてみてね。
NGK MotoDXプラグ
NGK スパークプラグ(初期装備と同じ)
強化点火コイル アドバンスプロ製 (IGC-YD02)
エンジン内に伸びるスパークプラグと繋がっている点火コイルの強化版パーツ
トリシティ125(2018年以降)・155(2018年以降)用 強化点火コイルです。
スパーク電圧が向上し火花が強力になります。
エンジンの始動性、トルク・パワーの向上が体感できます。ーーIGC-YD02 アマゾン商品ページよりーー
純正コイルに比べ、1次側・2次側の巻き数・巻き数比を変える事により、
スパーク電圧の向上し火花の太さが強力になり、エンジンの始動性、トルク・パワーの向上が体感できます。1次側コイル抵抗値を、TCI点火コイル抵抗値と同等に設定していますので、ECUに過大なストレスをかけることによるECU破損を防ぎます。
という具合に説明文だけ見る限り素敵性能しかない夢のようなパーツ。
問題はネットでも取り付け方や取説等が一切なくパーツ購入を前に「どこへ、どうすればいい…?」状態だったということを除いて・・・
16mmプラグレンチ(マグネット付き)
スパークプラグの脱着に必要な専用工具で今回は六角16mmのプラグレンチが必要
トリシティの場合かなり入り組んだところにあるのでプラグ交換には首振り機能のプラグレンチは間違いなく必須でした。
また脱着時に落とすとヤバいので多少高くても『マグネットやゴムでプラグを保持できるタイプがおすすめ』とのことで外すときはもちろん、特に取り付けるときはすっごく便利!
値段も手頃だったので、そそのかされた自分はこれの16mm(PW16)を用意しました!
ソケットレンチ
ネジ止めされているコイルの脱着にはソケットレンチを使います。
コイルはかなりしっかり締められていた上、水気を浴びて錆びていたりもするので最初の一撃にラチェットタイプのものもあると万全っすよ。
工具を揃えることは簡単なメンテの第一歩かな。
後はちゃんとしたものがあるに越したことはないけど、最初のカバーを外すプラスドライバーはシート下のサービスツールでも行けると思うです。
点火コイルとスパークプラグの取り付け方
点火コイルとスパークプラグを交換する今回のざっくりとした流れは
1.シート下のカバーを取り外し
2.点火コイルとスパークプラグを取り外し
3.それぞれ強化品に交換
4.正常に組み付けできたか確認して元に戻す
今回はエンジンに関わる部分に手を入れるので始動できるかのチェックは忘れずに!
※スパークプラグだけ交換する場合、点火コイルはプラグケーブルだけ外してね。
カバーの取り外し
手始めに点火コイルにアクセスするためシート下のカバーを取り外します。
フットボードの2箇所とメットインを上げた状態で見える2箇所をプラスドライバーで外そう。
ネジを外したらカバーを外せる状態になるのでメットインをいったん上げて、ずらすようにしてカバーを取り外し。
メットインは開いている間ライトが点灯するのでカバーを外せたらシートロックしよう。(バッテリーが上がってしまうので)
カバーを外すと交換対象の点火コイルをバッテリー下に確認できました!
合わせてここのネジも外してあげるとサイドカバーを少し広げられるのでコイルの配線がしやすくなるよ。
点火コイルの取り外し
開けてみての第一声が「今まで大丈夫だったのか、これ?」な点火コイル
というのも、ステーを止めている部分(アース)がビックリするくらい錆びていました。。
↑湿気浴びて錆びちゃいます。使い回す場合、要メンテ。
イグニッションコイルのアース箇所が錆ているのが確認できます。
この錆が導通不良を引き起こしスパークプラグからスパークし難くなり失火を引き起こす場合があります。
錆は真鍮ブラシで磨き、接点復活剤のウェットタイプや、接点グリスを塗布しておくと良いでしょう。
一次側の端子にも接点グリスを塗布しておくと良いでしょう。ーーALLメンテナンスよりーー
取り外す前に、まずは向きの記録をするため写真撮影。
正面から見て端子は右側、上が赤。下が黒。
交換後に端子取り付けを間違えるとエンジンが掛からないので、交換する強化コイルも同じように取りつけよう!
確認用の写真が撮れたらコイルを取り外すため、全ての端子を引き抜き、ソケットレンチで左右のネジを外します。
※無理すると危ないので、最初が固い場合はラチェットタイプを使ってね。
プラグケーブルの取り外し (プラグだけ交換の場合ここから)
続けて点火コイルからエンジンの方に伸びているプラグケーブルを引き抜きます。
力をかけにくい入り組んだところにある上、これもかなり固かったので少しずつ緩めていく感じでグリグリと。
スパークプラグの取り外し
プラグケーブルを外すと、その場所にスパークプラグが露出しています。
少し引いた位置から見るとプラグがあるのは赤マルのトコ
シート下開けて現物を見るのは初めてだったけど、サイドカバーやエンジンに囲まれ、聞いてた通りかなり入り組んだところにありました。。
当然、手や工具をつっこんで回せる場所ではないのでここでフレキシブルに首振りできる秘密兵器、プラグレンチ登場です!
先端のソケットでプラグを捉えたら左へ力を込めて回します。
ハンドル型のプラグレンチは力をしっかりとかけやすくていい感じ…!
それにしても、
実際に作業した経験者の方おすすめの道具があれば準備は完璧!
失敗なんてあり得ませんな…!
『俺、このプラグの交換が終わったら、休憩にするんっすよ。』
『美味いコーヒーでも淹れようかと。』
『ドリップのやつを買ってあったりして…!』
と、しょうもないツイートの内容を考えながらプラグレンチにグッと力を込める。
せーのっ…
(グリッン!)
_人人人人人_
> ゴッ!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄
「ゔゔっ。」
と。
道具を過信したが運の尽き。
プラグが緩んだ拍子に広々としたフラットフットボードのダイヤモンドチェックに手の甲を勢いよく打ち付け、声にならない苦痛にうめきながら休憩にしたのはここだけの話。
真っ赤なレーザーが飛んできそうな言い回しのツイートも忘れ、カバーを開けたところから交換完了まですっ飛んでおりました。
それでもしっかりスパークプラグを落とさず保持してたマグネット付きプラグレンチスゲーっす。
ひとまず交換するパーツの取り外しが完了。
写真撮ったり休憩しながらやってたけど、ものが分かれば10〜15分もあれば取り外しできそうです!
スパークプラグの交換
ここからがプラグとコイルを強化品への交換です。
まずはMotoDXのスパークプラグを取り外しと逆の方法で取り付けます。
では、改めて行きます…!
プラグイン!
MotoDX.EXE、
トランスミッション!!
その時の事だった!
スパークプラグから逆流した光がほとばしり、
青トリさんの電気系統を粉々に吹き飛ばしたのだ!!
※しません。画像はイメージです。
また爆発をネタにして!脳筋ですかヤマヒロさんは!!
それに「芸術は爆発だ!」って誰かが。
それに2度あることは3度あるって。これも誰かが…
改めましてスパークプラグの取り付け
さて。手順に戻ります。
取り付けるときは先にスパークプラグをプラグレンチにセットして保持します。
ここから逆手順で取り付けて行くのだけど、プラグホールへのアクセスする際も、ぶつけたり、落としたり、引っかけたりしてプラグ先端の電極を破損しないように差し込むときは一層慎重に…!
うまくプラグホールに挿せたらそのままネジ回しの要領でクルクルと。
スパークプラグは締めすぎも緩みすぎも注意。
それでも、直感で分かるくらい最後はカチッと決まるからそこ目安に最後のひと締めすればOK!
強化コイルの取り付け
最後に強化コイルの取り付け。
これも取り外しと逆の要領で組み付けて行きます。
コイルは最初と同じ向きで取り付けるので、端子は上が赤、下が黒で差し込みます。
またアドバンスプロ製強化コイルのプラグケーブルは汎用のものらしく、MTバイクなどタンクがあるバイクで使うプラグホールカバーが付いておりました。
とりあえず、このまま取り付けても支障はなかったのでそのままでもOK
もしも、気になるならゴム状のカバー部分だけカッター等で切り離してノーマルと同じ状態にしよう。
プラグケーブルをスパークプラグに被せるようにして、最後まで押し込んだらフィニッシュ!!
かなり根気がいるけど、走っている時にここが外れてしまうと単気筒エンジンのトリシティの場合一発でアウトだから入念に!
ちなみに点火コイルには導通性を上げるためプラグケーブル内部や錆防止など長寿命化のため端子に接点復活剤を吹いておくといいみたい。
↑タンク下に上から下に被せるように配置されるMTバイクの話でした。
入り組んだシート下に横向きに押し込んでいるトリシティの場合、プラグの緩みや電気が内部でリークしてしまい走行中のアイドリング不調や最悪エンスト原因になるのでケーブル内部に接点復活剤を吹くのは避けておいた方が吉。
交換後のエンジンチェック
最後にきちんエンジンが掛かるか実際に始動してみてチェックします。
やることは普段通りキーオンして、サイドスタンドを上げて、セルを回すだけ。
もとを辿れば、
あれは同志道を走った、
初冬の日ことだった。
「峠道で2人乗りは重い」
って言ったらユリが怒っちゃって、
話を聞いてくれないくらい、
不機嫌になっちゃってさ。
投げつけられたよ。
無事に交換して、
点火系強化が終わる頃には、
機嫌がもどってると良いけどな。
ははっ。
それに、
ここで元気よく、
ブルーコアエンジンを始動できれば、
SNSのフォロワーさん達に胸を張って、
「良い買い物だったよ・・」
って言える気がする…!
それでは・・エンジンスタ…
※しません。
電気系統の扱いは気をつけましょう。
夜勤明け、すた…ドーン!!! pic.twitter.com/09FC2Z8o4y
— ヤマヒロ (@yamahirok3) December 13, 2020
緊張の交換後一発目の始動。
心の声ダダ漏れなのと、スマホカメラの持ち方を盛大にミスしたのはご愛敬。。
プラグとコイル換装完了!
自分で手を入れたエンジンに火が入るってこんなに感動するんだね(’-’*)♪ pic.twitter.com/KX0DDKZkP5— ヤマヒロ (@yamahirok3) December 9, 2020
要因は他にあるかもだけど、セルを回してワンテンポ遅れ気味だった始動が一瞬に戻った。ないし、変わったのは確実に感じた部分。
また、普段通り安定しているアイドリングの音量も僅かに大きくなったような気がする。
音に関してはいわゆるプラシーボ効果かもしれないけど、強化コイルとMotoDXスパークプラグの相乗効果でノーマルよりも力強い火花が飛んでるのは間違いないはずです。
始動チェックと合わせ、少し近場を走ってみて段差等の衝撃で外れてしまわないかチェックできるとマル。
もとよりLMWのフロント2輪で段差に強いトリシティだから少し大げさなくらいのシェイクダウン(テストライド)できればバッチリ!
交換後の感想
2020/12/29 追記:
プラグとコイルを交換してみて地元相模原と千葉ツーリングに行ってきました。
その中で強く感じたのが加速感とトルクの向上でした。
加速と速度
00〜60の初期〜中間加速が速度の伸びが確実に良くなっていて、同程度アクセルを開けた状態で+7〜12km/hくらい出る印象。
60〜80あたりの高速巡航でも同じアクセル開度でメーター読み+5-7km/hくらいまで伸びていたので体感加速に一回りほど余裕ができました…!
一方の速度は長い下りでありったけ引っ張ってもノーマルと同じ116km/hから伸びなかったので(スピードリミッター発動?)最高速は同程度。
言葉的には“限界突破”よりは“基本性能の底上げ”が正しい表現だと思うです。
トルク&レスポンス
いわゆるインプレ記事とかで言う“レスポンス”も良くなった感じでアクセルに対する加速の鋭さがアップ!
同時に全域のトルクアップで特に坂道での再加速にも一段と磨きがかかり、課題であった坂道発進や速度回復がしやすくなりました…!
アクセルワークに関しては暴力的に変貌するわけではなく、トリシティならではの扱いやすさに余裕が生まれるイメージ。
みんな感じてるであろう坂道での“頑張ってる感”が薄れたのは間違いないので1人でも2人でも、もっと楽しめるようになるっすよ!
「それやっちゃダメー!!」
2020/12/29 追記:
エンジン警告灯
交換した点火コイルやプラグを戻していない状態でキーオンにするとエンジン警告灯が点灯して異常診断されちゃいます。
しっかり組み付けて走る分には問題はないのだけど、精神衛生上よろしくないよね。
警告灯を消すためにお店に電気系統の診断を依頼すると4400円かかちゃったそうなのでキーオンにするのは交換作業が全部終わってから!
また、センタースタンドで立てた状態での過度な空ぶかしもNG。
これも同じように異常診断のもとになるそうなので、始動確認はアイドリングだけにとどめよう。
トリシティ乗りの皆さんへ
今回の警告灯点灯は、メカ異常では無くヒューマンエラーでした💦 電気系をいじる時、イグニッションをオンにしない、メインスタンドを立てて、空ぶかしを過度にしない。
たったこれだけで点灯を防げます。消してもらうだけで4,400円(税込)掛かりますよ💦
良い経験でした😂 pic.twitter.com/EgSMpbM5Xd— Kazz 青トリ青トレ (@fairlytail) December 21, 2020
エンスト現象?
商品レビューにもあったけど、人によっては強化品を入れた後に稀にアイドリング不調やエンスト現象が起きるケースがあるそうな。
どう言うワケか、運悪くかなりのレアケースを引いてしまったヤマヒロ機は割と重症だったので2022年修理と対策しました。
まとめ
今回はブルーコアエンジン搭載型トリシティ155/125のMotoDXスパークプラグとアドバンスプロ強化点火コイルへの交換でした!
「劇的に変わる」っていうとおおげさ だけど、コイルとプラグ強化で「確実に走りが良くなった!」ってのは断言できる。そんなカスタムでした!
エンジンは完全燃焼に近いほど大きな力を発生することができますからパワーアップは間違いなしですよ!
強化コイルでは高回転域のトルクが向上するんだとよ。
やってみると案外簡単だし、仕組みがわかるといじるのも面白いね。
そんなこんなで、毎週のようにトリシティでツーリングを楽しむあなたもプラグやコイル交換で点火系を強化してどんなシーンでもトルクフルで”余裕のある走り”を楽しんでみませんか?
ブルーコアエンジンのトリシティ155/125にもうひと押しのパワーが欲しい方は是非チェックしてみてね!