『速報だ!頼もしいバイクが帰ってきたぜ!!』
と声を大にして言うのは恥ずかしすぎるので、心の中ではダンスというか小躍りしながら
「おかえり。」とMT-09TRACERを3度目の車検から引き取ってきたヤマヒロです。
早速並べて洗車してやりましたがお気に入りのマシンこと、ジェントルマンがこんなにあつまると壮観です(´ー`)
自分用はこれ以上増えないとは思うけどゆくゆくお金を貯めて、バイクを5台くらい並べられるような「人間用のおうち付きバイクガレージを建ててたいな〜」と夢も広がります!
大馬鹿野郎のふわふわした夢はともかく、あなたにとってバイクに求めるのはなんですか?
ガツンとくるトルクや余裕のある刺激強めな大パワー?
それとも、どっしりとした安定性やコンフォーティな高速道路の快適性?
はたまた、戦闘爆撃機のようにいっぱい夢と荷物と幸せを積める積載性?
あるいは、ダーっと行って、パタッと倒して、ガガーッと起こして、気持ちよ〜く曲がれる運動性?
いやいや、気持ちにグッとくる官能性能もあって、1台でなんでもこなせる汎用多目的な万能性?
色々と思うところはあったけど、車検から帰ってきてから改めて一台でなんでも“できちまう”系バイクなMT-09TRACER(トレーサー)の良さを強く感じるのでした。
↑かわいい(ヤメレ)
そんなこんなで「可愛い子には旅をさせよ。」と言うことで。(言わない)
今回はMT-10とキャラが被り始めたトレーサーを差別化し、重戦闘爆撃機よろしくな旅バイクとしての高速適正をさらに尖らせるために取り付けたヤマハ純正パーツのパフォーマンスダンパーについて綴ります!
ちょっと特殊な工具さえあれば簡単に取り付けできたので、導入検討中なあなたの背中を押すエントリになれれば幸いです(‘v’ゞ
MT-09TRACERはもちろん、後継機のTRACER900/GTや2020年までのMT-09(第1、第2世代)、XSR900が同じ手順で装備可能なので参考にしてみてね。
コンテンツ
今回紹介するアイテム
ヤマハのパフォーマンスダンパー
パフォーマンスダンパーは車体フレームにサブフレームとして取り付けるの防振・制振用ダンパー
もともとはヤマハが自動車向けに製造していた定評のあるパーツをバイク用に転用したもので走行時のフレームの変形や振動を吸収する追加装備。
車種によっては車体特性を変化させるほどの効力があり、トレーサーだと特に高速道路での長距離移動で真価を発揮するそうな。
去年Road5GTにタイヤを変えたり、こまめなメンテが功をなしたのか、3度目の車検でも要整備箇所が少なく、思ったよりも安く済んだのでした。
そこで「なんかよく分かんないけど、付けるとすごい!」的な圧倒的高評価に釣られて、高速で長距離走ることが得意なトレーサーの高速適正をさらに尖らせるため思い切って装備してみることにしました!
振動が減る分、落ち着きが増して上質な乗り心地にできる装備だよ。
だんぱー?
踊るの?
ちょっと何言ってるか分かんないです…
↓文中にも散りばめた大好きな元ネタ(英語音声版)
<<天使とダンスでもしてな。 おっさん!>>
トレーサーへパフォーマンスダンパーを取り付けよう!
MT-09TRACERへのパフォーマンスダンパー取り付けに当たっては道具さえあればやること自体は割と簡単。
春の嵐と格闘したり、取説吹き飛ばされてロストしたり、作業写真撮りながらやって1時間半くらい。
ネジが固着していたり、特殊なフレームボルトが外すのがちょっと大変かもだけど、適切な道具を用意していれば作業時間は30分くらいで行けるっすよ。
必要な工具
今回MT-09TRACERへのパフォーマンスダンパー取り付けにあたって使ったもの一式はこんな感じ。
必要に応じて用意してみてね。
- トルクレンチ
- いじり防止ソケット
- 14mmソケット
- レンチ
- 5-56(潤滑剤)
トルクレンチ
パフォーマンスダンパー自体が相当な精密機器。
なので取り付け時にちょっと気を遣いたいのが締め付けるネジやボルトのトルク管理。
あたかも、脳筋で力任せな大馬鹿野郎のマスターオブトルクによって・・
とかダメ。ゼッタイ。
今回は定期メンテで絶賛活躍中の角利という国産メーカーのトルクレンチを使用。
トルクレンチは長さがあるため、小ぶりなソケットレンチよりも力をかけやすく取り付けのみならず、固いネジを外す今回の作業に向いていました。
オイル交換を自分でやってる人にはめちゃくちゃおすすめなので是非チェックしてみてね!
トルクスソケット(いじり防止タイプ)
取り付け取り外しの主役となるいじり防止タイプのトルクスソケット
今回の取り外す3つ中2つが特殊なフレームボルトのため、T50のいじり防止ソケットが必須。
使うのはこれっきりかもしれないけど、お店に頼むよりは安め(作業時間30分くらい、3500円だったそうな)
また任意で脱着はもちろん、自分で取り付けできれば装備後「なんか違う?」というときはすぐに取り外し、切り戻しもできるっすよ!
今回の取り付けに当たっては国産メーカー、トネ(TONE)のもので上記トルクレンチで使えるのもの用意してみました。
ヘッドはT50サイズで自分の使うソケットレンチの径(差込角12.7mm(1/2″) の部分)に合わせて選ぼう!
パフォーマンスダンパーの取り付け方
道具を揃えたら、ここからはトレーサーへのパフォーマンスダンパーの取り付け方。
やること自体は簡単で3箇所のフレームボルトを外し、付属のステーやスペーサーと組み付けて、規定トルクで締め付けるだけ!
しかしながら、2022年現在、2015年式のMT-09TRACERの場合、固着(腐敗?)したネジロック剤でガッチリ固められた特殊ネジという安心安全の心折設計2段構え。
それでも上記の専用工具と5-56など潤滑剤があれば、クリアできるので是非トライしてみてね。
3箇所のネジを取り外し
手始めに車両右側面にある3箇所あるフレームボルト(ネジ)の取り外しを行います。
あいにく長めのエクステンションしか持っていなかったので取り外し用の工具はこんな感じ。
2箇所はいじり防止のソケットを取り付けたトルクレンチで取り外します。
1箇所目は専用工具で幸先良くスタート!
地味に凶悪だったシートフレームを繋ぐ2箇所目はネジロックが腐敗して固着していた模様。。
それでも、隙間から5-56を吹いて少し置いたら緩む兆しが見えてきました…!
それにしても、
専用の道具さえあれば準備は完璧!
失敗なんてあり得ませんな…!
『俺、このパフォーマンスダンパーの装備が終わったら、再開したビータスカフェに行くんっすよ。』
『チャーシュー丼セット食べに飛んで行こうかと。』
『お土産も買ってあったりして…!』
パフォーマンスダンパー装備のMT-09TRACERで、
快適な高速クルージングを楽しみ、
超美味しいチャーシュー丼を食べに行くという
幸せな明日を確かにイメージをしながら、
トルクレンチにグッと力を込める。
せーのっ…
ブリンッ!
_人人人人人_
> ゴッ!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄
「ゔゔんっ。」
※再現(写真はイメージです。)
と。
別のこと考え始めたが運の尽き。
フレームボルトが緩んだ拍子にトルクレンチが逆時計回りに半回転。
アルミ製フットステップのダイヤモンドチェックに手の甲を勢いよく打ち付け、
昼間の住宅街の端の方で変な裏声を上げたのはここだけの話。
あと、痛かった。すごく。
そんなこんなで顔色は変えず、半分涙目のまま着手した最後の3箇所目は14mmソケットに換装して取り外し。
が、反対側まで貫通しているフランジボルトというタイプなので、回すべきは実は反対側(左側、チェーンがある方)のナットなのでした。
※夜勤明けに作業するのはネジも頭も回らないのであまりオススメはしないっす。
【悲報】取説が吹っ飛びロスト。
それでも…!
ネジはっ…!!
回りませんっ!!! pic.twitter.com/i9Ko6NpC0R— ヤマヒロ (@yamahirok3) March 25, 2022
ナットとワッシャの取り外しにあたっては暗黒物質溜まりのようなチェーンガードやマフラーの膨張室の上に落とすと泣けるので脱落に気をつけながら。
再利用するナットを外したら、右側からフランジボルトも引き抜きこう。
ステーやスペーサーで組み付け
一番難しいネジの取り外しが終わればあとはここからパフォーマンスダンパーを本体をステーと一緒に組み付けます。
取説だと“仮組してから”とはなっているけど、ステーの位置が微妙だったりするので現物合わせで場所決めしました。
フランジボルトは反対側から。
ナットなど、取り外しと逆の要領でクリアランスを取りながらパフォーマンスダンパー本体を仮組みしていきます。
指定トルクで締め付けて・・完成!
仮組みが終わったら、最後に各部を規定のトルクで締め付けます。
3箇所の規定トルクはそれぞれ異なり、40・46・60Nmと取説に従ってトルクレンチの設定を合わせて締め付けていこう。(取説飛んだけど。。。)
ボルト3箇所を“カチンッ”と締め付けが終わったらパフォーマンスダンパーの取り付け完了です!
取り付け後の変化
メリットとデメリット
言葉にしてしまうと薄っぺらいけど、たかがサブフレーム的な防振ダンパーかと思いきや、マシンの特性変化とも言える変化っぷり。
なので、メリットとデメリットってよりは人によっての好き嫌いというのが正直なところかな。
まず家から出て、走り出してすぐ。というか跨った瞬間から違いを感じた乗り心地の変化。
とりわけ衝撃吸収性能の向上が著しく、トレーサーからヌルヌル動く上質なオーリンズの前後サスを備えたMT-10SPみたいにワンランク上な足回りにクラスチェンジしたような印象を受けました。
左右の振れに対する防振機能だと思うけど直進安定性も飛躍的に高まり、高速道路や流れの良いバイパスを粛々と走っていくシーンでマシンの中心のブレにくさを段違いに感じやすい部分。
これは疲れにくさにも直結する部分で、朝イチの高速道路を飛ぶように走って「ビータスカフェまで一直線だ!」というような乗り方が多い自分的には「もっと早く導入しておけば良かった…!」と心底思った部分。
ビータスさんに一番槍で到着!
バイクが見えるお気に入りの席を確保です(^^)b pic.twitter.com/Ef9AXNf1Ho— ヤマヒロ (@yamahirok3) March 26, 2022
デメリットとしてはハンドリングや慣れ親しんだ乗り心地が変化するところかも?
理屈は分からないけど、個人的にはハンドリングが重くなるというよりは安定性の向上による寝かせ始めの重さによって旋回がワンテンポ遅れる感じ。
いわゆる「ヒラヒラ感が〜」ってやつだと思うけど、パフォーマンスダンパーを装備したままワインディングを攻めるような走りをするなら気持ち早めの荷重移動が必要そう。
ちなみに体重50kgを切った軟弱物が乗るで優等生マシンの安定性が大幅アップしてしまったので、リアサスを2段ほどソフト側に調整したら旋回性もいい感じになりました!
最初からハイグレードな前後サスを備えたマシンだと効果を体感しづらいそうだけど、ノーマル仕様で「なんか違う?」と思ったら外しちゃう前にサス調整をしてみてね。
こんな人にオススメ
- 安定性を高めたい方
- 攻める走りを求めない方
- 高速道路を走ることが多い方
- オフロードっぽい場所に突入しがちな方
- ゆったりクルージングをラクにしたい方
- ハードケースでフルパニア仕様の方
- タンデムライド(2人乗り)をよくする方
- 「旋回性より安定性です!」という方
- じゃじゃ馬なMT-09を落ち着けたい方
- TRACERの高速特性を尖らせたい方
- XSR900を上質な乗り心地にしたい方
天使とダンスしたい方- とりあえず何か変化を感じるカスタムがしたい方
- 定期点検が思いの外安く済んだので早速ペイバックタイムしたい方
まとめ:のんびりツーリング派に絶対にオススメ!
今回は長距離高速ツーリング特性を尖らせるため、MT-09TRACERへのヤマハパフォーマンスダンパーの取り付けでした!
ちょっとした段差や路面からの突き上げ、旋回中ギャップ踏んだ時の耐性などなど、走り出してすぐ効果を体感できるところたくさん。
全速度域で効果を発揮する中、特に安定性や衝撃吸収性の効果は絶大で09トレーサーがワンランクもツーランクも上な乗り心地に化けました。
最初は半信半疑のままいざ付けてみると、まるで上位ツアラー機に乗り換えたような車体の特性変化。
しかも乗れば乗るほど、感じられる変化がどんどん出てくる面白いパーツ。
特にあまり飛ばさないのんびりツーリング派の人にとっては「なんでもっと早くつけなかったんだ!」という絶対にオススメな装備です!
これで、トレーサーで2022年4月からはじまるという土日に100km超高速道路を走れば割引とかいうよく分からない制度と戦う準備も万端なヤマヒロ(@yamhirok3)でした!
もしも自分の走りに合いそうなトレーサー乗りの兄貴方や叔父様方は簡単に取り付けできるので是非チェックしてみてくださいな!
今回取り付けたアイテム:
今回取り付けたパフォーマンスダンパーはMT-09系フレーム向け
MT-09TRACERはもちろん、後継機のTRACER900/GTや2020年までのMT-09(第1、第2世代)、XSR900が同じ手順で装備可能です!
※同じCP3エンジンでもNIKENはフレーム形状が違うので使用不可
フレームを一新した新型のTRACER9やMT-09(2021〜)はこちらを使ってね。
ダンパーのデザインやボルトがスタイリッシュに仕上がっております…!
パフォーマンスダンパーはヤマハ各車の専用品がラインナップ。
ダンパー本体と専用ステーなど似たような構成だけど、車種によって全然値段が違うのはご愛嬌。