2019年7月 リアルではお店に並べる前に呼んでもらって、五感で感じて、少しだけ悩んで 。
ネットでは「初めてのバイクに大型はやめておけ」だなんてよく言われておりました。
でも、ちょっと待ってほしい。
自分は超高性能全領域三輪車、 通称“幸せを運ぶ青トリさん“ことトリシティ155と共に最高に幸せな一年間走り抜けてきたではないか。
つまり正確には“初めてのバイク”ではないんじゃないか…!?
そして、トリシティ155とバイクデビューする時以上に、 初めてのバイク(二輪)に大型を選ぶという愚かな選択にぐうの音も出ないほどの大反対を覚悟しながら、強い強い決意を胸に両親へと告白したのです!
なんだかいきなり大型MTバイクを買うと言うのにドラマチックな紆余曲折のひとつやふたつも無いままトリシティ155納車からちょうど1年後となる2019年8月22日
初めての自分の二輪車としてMT-09TRACERをお迎えしたのでしたー!
「失敗したな〜」と思うこと
納車の1年前。当時24の自分は思いの外、大型二輪教習は苦になるようなこともなく終え、トリシティ155を楽しく乗り回していたことから「教習車よりも軽い二輪なんて1週間で乗りこなしてやるんだ!」くらいの気持ちでいました。
すでにMTへのワクワクで頭のネジが緩んでいた自分は「直情的大馬鹿野郎を舐めるなよ…!最後に勝つのは、意志の力だ…!!」と。
そのときの気持ちは多分こんな感じ↓
ーアニメマスターオブトルク Epilogueよりー
ところがギッチョン。
市販のオートバイは排気量に対してパワーを抑えられ、エンストしづらくチューニングされた教習場を時速40km/hで走るための教習車両とはまったくの別物だということを身をもって体感するにはあまり時間がかかりませんでした。
それから1年、トレーサーと一緒に初めて大型かつMTバイクのオーナーになるということをほんのちょっぴりだが体験した。
い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが…… あ…ありのまま今まで起こったことを話すぜ!
初めてなのにパワーのある大型MT
「僕は、前に進むんだ…!」とか「あんなヤツの言うこと無視して行こうぜ」といきなり大型MTを選んで失敗する典型例。
もっぱらパワーのある大型だから下手にクラッチ繋いだり、スロットルを開けようものなら乗ってるのに<<ズン!>>と突き飛ばされるような。そんなイメージ。
MT-09系はエンジンを電子制御でSTD(通常モード)、(A:刺激強め)、B(穏やか)を切り替え可能で納車して割とすぐにAモードも試しました。
が、
初心者の自分が何も考えずにアクセルを操作しようものなら<<ビシィッ!!>>と腕が伸び切り一撃で筋肉硬直。
準備の出来ていない心と体が置き去りにされてしまい「あ、ヤバい、これ絶対ヤバいやつだ…」と公道でMTバイクに乗ったことがなければ完全にビビって即封印するレベル。
またスクーター(AT)のトリシティ155に乗っていたものだから、度々クラッチ操作をミスしては公道でなんの前触れなくエンスト(エンジンストール)させておりました…(汗)
ゆえに他人から見れば“走る死亡フラグ”にでも見えたんじゃないかと。。
慣れたら慣れたで大型ゆえにパワーの余裕があることから、町乗りでは高回転までブン回す必要性も忙しいギアチェンジもなし。
むしろ走り出せば身軽なもので3~4速のスロットルオン/オフで悠々と走れてしまったあたり、一番経験値積まなきゃいけない時に“頑張らないを頑張る”ってのはあまりよろしくないなと…
給油前後の重量変化が大きい
航続距離重視でスポーツツアラータイプである09TRACERのガソリンタンクは大容量の18L!
ゆえに1、2メモリからの満タン給油だと一気に装備重量の210kg近くになるため給油前後での重量バランスの変化が大きめ。
ご多分にも漏れず、初めての給油後は乗車してサイドスタンドを払おうと足を上げた拍子に倒しかけました。。(汗)
例えるなら重心(エンジンブロック)よりも上の方に突如2Lペットボトル9本抱えた状態という十分初見殺しになりうる重量変化なので給油後の押し歩きは特に気を使いました。。
それでも普通二輪教習車CB400(207kg)や大型教習車NC750(228kg)を普通に押し歩きできていたはずなので後は要筋トレ。
ちょっとしたことが大ゴトになる
直接的な原因ではないにせよ、大型にして失敗したかもしれない大きな要因のひとつ。
何にせよ後から「こんなはずじゃなかった」って思うのは自分の想像力不足。
当然ながらバイクでありながら三輪であるトリシティに慣れていた自分は“二輪にとっての危険なシーン”が全然イメージできていませんでした。。
↑この後、砂に埋もれ地獄をみるなど夢にも思っていませんでした。
たとえば、右折時に信号無視の自転車をフルブレーキで避け、
そのまま
<<ずどーん>>
たとえば、坂道発進でトルクが負けてエンストし、
<<ずっ>>
たとえば、坂道Uターンで曲がりきれずバランスを崩して
からの
<<ガッシャン>>
そして、人知れずに自己ベスト更新しまくる一撃必殺の台風で
<<ゴシャァ>>
トリシティ155は納車初日にレバーをひん曲げただけだったというのに、
トレーサーに関しては納車から1年で累計4回の立ちゴケ・転倒を経験しています…
変な話、立ちゴケの洗礼で済めばまだ良かったものの。。
自分の場合、一本しかなかったイモビキーをひん曲げてスペア作成・修理に手間取ったり、真っ暗な河原で砂状の砂利に埋まり、JAFのお世話になるなど。。
大型固有の装備や二輪オートバイの知識や経験不足がトリガーとなり、些細なことから始まって割と大ゴトになったことも。
もっぱら大型バイクであることから部品代や修理費も高くつくケースがあり、大なり小なり何かやらかすたびに心と体、時々お財布の3重ダメージを受けておりました。。
パーツ探しがちょっと大変
拡張性も光るMT-09TRACERは2018年に新型TRACER900/GTへとモデルチェンジ
今でもMT-09系の共用パーツは手に入れやすいけど、“MT-09 TRACER専用”となってくると話は別。
純正・社外品ともに既に生産が終わっていて在庫限りだったり、流通している中古パーツから探すしかないというのが現状で特にユーロヤマハ用リアキャリアは中々苦労しました。。
自分のカスタムコンセプトは今風旅バイク。
実はサイドケースを装備してフルパニア化しようとしているのはここだけのお話。
追記:購入から1年。フルパニアになっちゃった。
1台でなんでもできちゃう
MT-09 TRACERは “Sport Multi Tool Bike(スポーツマルチツールバイク)” がコンセプトのマルチロールモデル
トリシティ155の頃から感じていたことで、バイクっていうのは一長一短。
1台でなんでもできればベストだけど、それぞれのマシンにキャラクターがあって得意・苦手を持っている。
その中でも自分の“用途”に合致したTRACERも”オンロード向け”のバイクなのだろうけど、一般道も、高速も、ちょっとした峠道だって最高に楽しい。
ベースとなったMT-09譲りの”走る”を楽しめる車体に旅向けの快適装備も相まって、
1台でなんでもできちゃう09TRACERは二輪初めましての自分には文句無しの出来過ぎたマシンでした…!
「これからいろんなバイクに乗ってみたい!」 免許取得時はそんな風に思っていたけど、“初めて”に選んでしまったMT-09TRACERでもう大満足
だから、他のマシンや後継機にあたるTRACER900/GTへの乗り換えも「自分はいいかな。」って思えてるほどで250→400→大型とステップアップする楽しみも同時に消失してしまいました(苦笑)
それでも、その分の時間とお金を素敵な旅することに使えたのならこれ以上のことはないと思う。
なぜか自分は気分次第でトレーサーで近場へ町乗り、身軽で気軽なトリシティで超ロングツーリングをしたりと役割逆転なんてよくある話。
それでもキャラの違う2台をうまく乗り分けできていることから、MT-09TRACERという最初から良いマシンに出会ってしまったのが最初で最後の大失敗。
!
正直いろんなオートバイを乗り換えながら楽しんでいる人がちょっとだけ、本当にちょっとだけ羨ましく思うです(*´-`)
“行きたいを叶える力”
初心者故に大パワーを扱いきれず、ツアラー仕様が慣れるまで裏目に出たり、度重なる立ちゴケに台風被害、二輪への理解が至らないことに起因するトラブルetc…
初めてに大型MTを選んだことでどんなにバイクがカッコ良くても、オーナーである自分が最高にダサくって不甲斐なくなるようなことも多々ありました。
それから1年。初めての二輪、初めての大型バイクを“普通”に走らせられるようになった今となってはやらかした失敗もすべて“手間がかかるほど可愛い”的な(笑)
「ミドルクラスは中途半端だ」なんて話もあるけれど、MT-09TRACERに関しては真逆で”のんびりツーリング”も自分の技量の範疇で”気持ち良くスポーツ”もどっちにも行ける。
極端な話「走らせ方次第で戦闘機にも旅客機にもなるスポーツマルチツールバイクは伊達じゃない!」
というのが初めてのMTバイクにMT-09TRACERを選んだ自分の思うところで「もっともっと楽しまなきゃ…!」とつくづく思います!
これからもトレーサーとMTバイクの“走る”を楽しみながら、自分の“行きたいを叶える力”として、 時々”失敗”もしながらでも最初のMTバイク、MT-09TRACERを選んで“良かった!”にして行けるよう思い出いっぱいオドメーターに刻んでいきたいと思います!
以上、トレーサーと一緒に前に進むヤマヒロ(@yamahirok3)でした!
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